『世界の裏側』
サンジは本当に、よくわからなかったのでとりあえず質問した。
「テメェ、どうすんの」
「……どうするかな」
ゾロも本当に、よくわかっていないようで呆然と答えてきた。
阿呆だ。
阿呆がここに居るぞみんな。指差して笑うなら今だ。
でも、サンジは笑えなかった。
何故か笑えなかった。そしてゾロと同じように、只、呆然としていた。
どうするんだろう。
誓いを破ったときは、どうするんだろう。
そのまま、じっとしていた。
何秒も何分も何時間も何年も、過ぎた。過ぎた気がした。
ぽつり、とサンジが言葉を落とす。
考えた末のものではない。何をやっているのだ、という感想から転がり出た言葉。
珍しいことに、それは罵倒ではなかった。呆れでも、厭味でもなかった。
本当に、どうしたらいいのかわからなかったのだ。
「負けたときのこととか全然考えてなかったろ」
「……考えてなかったな」
ああ、阿呆だ。
もうこの世界自体、とんでもなく能天気な、阿呆だ。
サンジは溜息を吐いて、今晩のレシピを考え始めた。
もう本当に、他にすることもないので。