GO or STAY!








人影のない裏通りを、びくびくしながら歩く。警戒しすぎてしすぎることはねえ、いつ狙撃されたっておかしくねぇ立場だ(いや、何でそうなのかはまだ良くわかっちゃいえねえが)からな、俺はよ。

よく考えたら、VIPとか組織の人間とか、何も考えないで道を歩いたりすること、ねえんだろうなァ。
いつもいつも、いつでも、安心なんて、出来ねェんだろうな。そんなこと考えたこと、なかったけどよ。

さて──ここは、何処だ?
地名でもわかりゃ良いんだけどな。さっき見た電柱の番地はスプレーで塗りつぶされてた。クソガキどもめ。

いつまでも黄昏てる訳にゃいかねえし、行動あるのみだ。
あの役立たずボディーガードをめでたく追い払った事だし、自力で歩いてみるさ。
何てったって文無しだもんな!飢え死にってのはマジ、笑えねえよ。動けるうちに動いとく。
今日出来ることは今日するってのが、貧乏人の根性なんだよな。

まずはパスティスについて調べたい。相手には気づかれないように、ってどうすりゃいいんだ?ああ、超能力か。ねえよ。
しかし、だ。
考えるに、向こうは俺を探してて、最初に捕まった時にはなんか不穏な単語(実験って、やっぱり解剖とかするんだろーな)を聞いたから、すぐに殺されることはねえんじゃねえか?もう一度捕まってみるってのも──
無しだな。
だって、それからどうすんだ。スーパーマンじゃねえんだから、大脱出ーvなんて訳にゃいかねえだろ。馬鹿か俺。
ヒットポイント30未満でラスボスに立ち向かうようなもんだ。

最善策は──スモーカーだろうな。

アレが思いつく中で一番安全なんて、どうも間違ってる気がするんだが。
パスティス──そして『サイレンサー』を知っていて、かつこっちを殺す気がなくて、さらにちょっとやそっとのことじゃ死ななそうなのはアレくらいだろ。

つか、何で俺はスモーカーと別れたんだっけ?
スモーカーとの悪夢の拷問取調室で、あまりの頭痛に意識を失ったことは覚えてる。つか、思い出した。
か弱いレディじゃあるまいし、気絶なんてしまらねぇなァ。気づいたら、ボロいホテルの一室──なんか、スゲェ情けねぇ。さらわれたお姫様か、俺は。
どんな取引があったのか知らねぇが、またあの野郎に手数をかけたんだろう。うわ、何かイライラするなァ。
ま、俺にゃ関係ねえけどな。もう。

「よぉ!トーマスじゃねえか!」

いきなりかけられた声に、背筋が跳ね上がった。

……トーマス?
右を向く。左を見る。
誰もいない。

仕方ないので、振り向く。

にこにこ笑って片手を挙げているその男の視線は、ばっちり俺に突き刺さってる。
……つまり、俺を呼んだのか?

人差し指を自分に向けて、首をかしげる。
オイオイ勘弁してくれ、もうこれ以上人違い勘違い野郎は要らねえんだが。

「え?」
「そう、君」
「ええと、人違い──」

──ばぢばりばりばりぢぃっ!

「……じゃあ、ないんだよねえ。君だよ」

男の目が、楽しそうにゆがむ。
すとん、と脚から……いや、肩から腕から腰から、全てから力が抜けて、俺は地面に激突した。

「『初めまして』、トーマス」

……え?






+++ +++ +++






「あーあー、そんな間抜け面すんなよ。馬鹿に見えるぜ」

縮れた髪に、子供の瞳をもつ男は、太陽のような笑顔を浮かべたまま、地面にしゃがみこんだ。
俺と視線を合わせるためだろう。仰向けに倒れたまま、高い建物が日差しをさえぎって、本物の太陽は見えねえ。
クソ、油断した。いや、別に警戒してたって結果は同じだっただろうけどな……まったく慰めにならねェクソ事実だ。

からかう口調で、男が呟く。
どうやら、俺への評価はDマイナス、ってところだ。

「ていうか馬鹿だねえ、君は。危ないってわかってるのに一人でひょこひょこ出歩いて」

つか、状況が把握できねぇ。
しびれた指先に力を込めたが、痙攣しただけだった。

「馬鹿な子ほど可愛いって言うけど、アレ、嘘だよなァ。そりゃ、ゾロも愛想尽かす筈だわ」

は……何?
なんかスゲェ鬱陶しい単語が聞こえたような気がするが、気のせいだろう。

「う…せ…」
「オイオイ、無理して喋んなくて良いぜ?俺が代わりに話すからよ」

優しげにそう言われても、屈辱なだけだ。
どうやら俺にゃ、休む時間もねえらしい。一人で居られたのは建物から出て五分だけかよ。

「痛めつける気はねェから、怯えんな」

既に痛めつけられてる気満々なんだが、これは価値観の違いとかで済まされる話なのか。
男は俺の脇に手を差し入れて引き上げ、置物のように壁に立てかけた。手足が重くて力が入らねぇ。

けど、コンクリートに手のひらがこすれた痛みは明瞭。男の顔につばを吐きかけたい衝動を抑える。今やっても多分よだれが垂れるだけで激しく格好悪ィ。

男がポケットにしまった黒い道具を、視線で追う。
その拷問道具はアレか。良く痴漢撃退用とか言ってる──

「ああ……そりゃお前は見たことねえかもな。これ。ちょっと痛かったろ」

ちょっとじゃねえ。

「スタンガンだ。……パスティス社製だから、結構高性能。あ、聞きたくねえ名前だった?大丈夫、痛めつけねえから」

あの、念押しされると逆に不安になるんですが!
男は、丁度平行線にじっと俺を見詰めながら、気楽な調子で重要なことを言った。

「俺は多分、お前の疑問を解消してやれると思うぜ」
「え……」
「もう疲れたろ?これ以上考えたくないだろ?」
「……」
「俺が教えてやるよ?パスティスに個人で探りを入れるなんて無理だから、ラッキーだろ?」

そ、そりゃそうだけどよ。
そんなうまい話が突然沸いて出るなんて幸せな世界に突入するようなフラグ、立てたか?いや、まったく覚えがねえ。
じゃなんだコレは。罠か(人を簡単に信頼できねえ性格になったのは、俺の責任じゃねェぞ)。

そもそも、ラッキーな話がスタンガンの電撃付な時点でおかしいだろ。フレンドリーだからって誤魔化されるモンじゃねえぞ。
何でわざわざ俺に、ご丁寧にもそんなことを説明してくれるってんだ?そりゃアレだぞ、事件を解決しようとと聞き込みを開始したら第一声で犯人が自白を始めるようなモンだぞ。

俺が食いつきそうな餌をまいて、何がしてえんだ?

大体、テメェ誰だよ。
俺、トーマスなんてダセェ名前じゃねえんだけど、そこから違ってねえか?

「疑問まみれ、って顔だな。駄目だぜ、お前は生きるためにチャンスを逃せる立場じゃねえんだからさ」
「……」
「トーマス、俺を信用できないか?」

出来る要素があったらお目にかかりたい。この生命保険勧誘員め!

「……これでも必死に飛んで来たんだけどな、お前のために」
「?」
「俺じゃなかったら、問答無用で拘束されて、モルモットだぜ?それか射殺だ」

?????
えーと……?

コイツは、自分が味方だって言ってるのか?もしかして。
恐ろしい想像だが、まさか自称ボディーガード2号機(=俺の精神をペースト状に摩り下ろすためだけに作られた特別仕様マシーン:送料無料)じゃねえだろな!?

「あ、んたは……?」
「いや、残念ながら俺もパスティスだけどね」

Shit!

「正確には、裏の方は『アルマニャック』っつーんだけど。まあそりゃ別にいい」

男は愛嬌のある表情で首を振った。細かいことには頓着しねぇタチなんだろな。どーでもいいけど。
俺、今凄い萎えたから20年くらいそっとしといてくれる?

「ちょっと事情があってね……お前をいきなり撃ち殺したりはしねェよ。だから、他の奴らに確保されねェ様に飛んできたんじゃねえか。ホラ、コーザとか融通利かねェし面倒だろ」
「……」
「ん?まだ疑問ある?」
「……」
「スタンガン?だってお前、逃げ足速そうだし」
「……」
「どうして居場所がわかったか?そりゃ、ゾロに聞いたんだ。もう関わらないから勝手にしろってさ」

勝手に──?
そりゃ、そう言ったけど。まさか。

「──ホント良かったね、来たのが俺で」

ゾロって──あの、ロロノア・ゾロ?
さっき別れたばかりの?

「な……」

男はため息をついて、俺に言い聞かせた。
頭がガンガンする。畜生、何だこれ。なんで──俺はそんなに──

腕を持ち上げようとしたら、ぶるぶると震えた。
ぽんぽん、とやさしく頭をたたかれる。俺はガキか。

「お前は売られたんだよ、ゾロに」
「な……んで……」
「オイオイ、そんなショック受けた顔するなよ。仕方ないじゃねえか──ゾロの気持ちも、ちったぁわかるぜ」

男は、人差し指をピコピコ振りながら言った。
これはアレだな、いわゆる──「ここは重要です、テストに出ますよ」。

ロロノア・ゾロは、サンジを憎んでるんだから、仕方ねえよ」

憎む──俺──サンジ──?
サンジ──アンタの言ってるサンジ──『サイレンサー』は、ロロノアの相棒だったんじゃないのか?

「だからトーマス、君の事は守ろうと思っても、その顔じゃ中々大変だったろうと思うぜ」
「顔……?」
「気の長い方じゃねぇしな、『デアデビル』は」
「俺は、トーマス、なんて、名前じゃ、ね」
「あれ?また混乱してんのか?それともわかってねえのかなァ?」

腕の痙攣が気持ち悪い。
ダメージは回復に向かってるはずなのに、どうしてか頭痛が増す。

「悪ィ悪ィ、俺も君がどこまで事態を把握してるか良く知らねェからさァ。マッサラ、って事で良いのか?トム
「俺は、サン」
「そうそう。俺は『サンジ』を連れに来たんだよ。可愛い弟分をな」

男は俺の言葉に聞く耳を持たない風で、ひらひらと手を振った。
そこで──俺は、いまさらだが、この男の目があんまり笑ってないことに気付いた。

「それに『お前』は邪魔なんだ、Tomcat──『トーマス』」

トーマス?
……何処かで、俺は──

Oliver.Tomus

そう、俺は、孤児で、しかもファミリーネームなんて良く知らなかったから。
勝手につけた名前は、両方ファーストネームみたいになって──

あれ?何だこれ?誰だ?これ。
トーマス?

「サン…ジ……?」
「ハハ、ゆっくり、考えていいぜ。納得は多分出来ねェだろうけど、さ」

男は立ち上がると、肩までの長さの縮れた髪を揺らして両手を広げた。
芝居がかったポーズ。ナルシストか、テメェは。

俺は自分の力であごを引いて、下からねめあげた。
どうも、気に障る野郎だ。何か──不安にさせる。

イライラする──なんか、神経が焦げるカンジ。胸がムカついて、何か吐き出さなきゃ収まらねェカンジ。
恐怖?いや、そうじゃねェ……。

そういや俺、何でビビってねえんだろう?
小市民の俺なら、もっと──いや、こんなモンだったか?

うまく動かねェ舌が忌々しい。

「……俺は、サンジだ」
「そうなら嬉しいんだけどなァ」

男はにっこりすると、かぶっていた帽子のつばを引き下げて、目元を隠した。

「事態把握の手がかりになるだろうから、教えてやろっか。俺の名前は『シュライヤ』──もしくは、『エース』だ」
「……もしくは?」

妙な自己紹介だ。
どっちかがコードネームか?だとしたら、本名がシュライヤだろうと思うけど。

「その辺はお前が判断して良いよ。俺の話を最後まで聞けば、その意味がわかる──ちなみに『俺』は、結構絶望したけどな」
「意味、わかんね」
「オイオイ、頭は使わねェと錆びるぜ?」

男は、俺と同じように顎をひいた。ますます顔が隠れて、表情がわからなくなる。

「お前は自分をサンジだと言うが、俺の方が『サンジ』については良く知ってるよ」
「は?」
「サンジは、過去の亡霊さ。──もう死んでる」

ずくん。心臓が跳ねた。
今、とても重要なことを聞いたんじゃないか?俺は。

──過去?
死んで、いる?──『サイレンサー』、が?
じゃあ、やっぱり、俺は。
他人の空似で、偶然同じ名前の──?

「お前、人を殺したことも。騙して裏切ったことも。死体の側で自分を嘲笑ったことも──ないだろ?」

ない。
そう──そんなの、想像したことも、ない。

「お前はサンジじゃねェよ」

そう、俺は『サイレンサー』じゃない。──でも、それじゃ説明出来ねェことがある。
その疑問が顔に浮いたんだろう、男はため息を吐いた。

「お前の顔は『サンジ』だ。だから、皆お前をサンジと呼ぶ」

顔?
生まれた時から、俺はこの顔だ。文句あるか。
そんなの、疑問に思ったこともねえ。『サイレンサー』と似てたって、そんなの俺のせいじゃねえだろ。

「でもな……じゃあ、頭の中身は誰だ?」

はあ?
コイツは一体、何を言ってるんだ?
もしかしてアレか、こいつも(「も」ってのが悲しいが)キチガ●君なのか?

男は、丁寧に区切って、ゆっくりともう一度質問してきた。

「お前の記憶は──?」

キオク?

──キ オ  ク ?

「俺の知ってる『サンジ』はこうだ」

混乱状態の俺の耳を、男の声が素通りしていく。
まるで催眠術にでもかかったみたいに、脳みその奥がぼうっとしている。

「サンジは料理が上手くて、凄い蹴りを持ってて、喧嘩っ早い男だった」
「────」
「ヘビースモーカーで、チェーンスモーカーで、女好きで、口が悪くて」
「────」
「でもイイ奴だった。俺は好きだったよ」
「────」

「二年前、『アルマニャック』を裏切って、実験室に回される前はな」




俺は、この男が、何を、言っているのか、わからない。

そんな男、俺は、知らない。

知らない。
知らねェ。

知らねェっつってんだろ?



俺の頭の裏でドアをノックしている、あの人影。
あの──足音。笑み。紫煙。

zer.zer.zer....
zer.zer.zer..
zer.zer.zer.

これはノイズか?それとも──雨音?

止めてくれ。
聞きたくねェ!



「『サンジ』の話はここで終わる。だが、『お前』の話は終わらない



覚悟は良いか?
誰かが、俺の耳元でそう言った。

黒いスーツの──影。




「さて、昔──つっても一年前と三ヶ月前のことだけど、ある町のあるパン屋の二階に、ある男が住んでた」

「年齢は二十歳前後、痩せ型で、金髪碧眼」
「コイツは丁度、サンジと同じ血液型で、俺にゃよくわからねぇが、リンパ液の型とか、脊髄液の型とか──まあとにかく、色々なところが結構似てた」


「一年と三ヶ月前、コイツは知人達の前から姿を消した──『コイツ』の話も、ここで終わりだ」


だが──『俺』の話は終わらない?


「一年くらい前になるが──俺は、上から死体の処理を頼まれた」
「俺は、それをコンクリート詰めにして、海に沈めた」

聞きたくない。

それの特徴を聞きたいか?」


黙れ。


「頭を潰された、若い男だ──金髪だったよ。よく見なきゃわかんなかったけどな」



zer.zer.zer.zer.zer.zer.zer.zer.zer.zer.zer.zer.

zer.zer.zer.zer.zer.zer.zer.zer.zer.zer.zer.zer.zer.zer.zer.zer.zer.zer.zer.zer.zer.

zer.zer.zer.zer.zer.zer.zer.zer.zer.zer.zer.zer.zer.zer.zer.zer.zer.zer.zer.zer.zer.zer.zer.zer.zer.zer.zer.zer.zer.zer.zer.zer.zer.zer.zer.zer.zer.zer.zer.zer.zer.zer.zer.zer.
zer.zer.zer.zer.zer.zer.zer.zer.zer.zer.zer.zer.zer.zer.zer.zer.zer.zer.zer.zer.zer.zer.zer.zer.zer.zer.zer.zer.zer.zer.zer.zer.zer.zer.zer.zer.zer.zer.zer.zer.zer.zer.zer.zer.zer.zer.zer.zer.zer.zer.zer.zer.zer.zer.zer.zer.zer.zer.zer.zer.zer.zer.zer.
zer.zer.zer.zer.zer.zer.zer.zer.zer.zer.zer.zer.zer.zer.zer.zer.zer.zer.zer.zer.zer.zer.zer.zer.zer.zer.zer.zer.zer.zer.zer.zer.zer.zer.zer.zer.zer.zer.zer.zer.zer.zer.zer.zer.zer.zer.zer.zer.zer.zer.zer.zer.zer.zer.zer.zer.zer.zer.zer.zer.zer.zer.zer.
zer.zer.zer.zer.zer.zer.zer.zer.zer.zer.zer.zer.zer.zer.zer.zer.zer.zer.zer.zer.zer.zer.zer.zer.zer.zer.zer.zer.zer.zer.zer.zer.zer.zer.zer.zer.zer.zer.zer.zer.zer.zer.zer.zer.zer.zer.zer.zer.zer.zer.zer.zer.zer.zer.zer.zer.zer.zer.zer.zer.zer.zer.zer.
zer.zer.zer.zer.zer.zer.zer.zer.zer.zer.zer.zer.zer.zer.zer.zer.zer.zer.zer.zer.zer.zer.zer.zer.zer.zer.zer.zer.zer.zer.zer.zer.zer.zer.zer.zer.zer.zer.zer.zer.zer.zer.zer.zer.zer.zer.zer.zer.zer.zer.zer.zer.zer.zer.zer.zer.zer.zer.zer.zer.zer.zer.zer.
zer.zer.zer.zer.zer.zer.zer.zer.zer.zer.zer.zer.zer.zer.zer.zer.zer.zer.zer.zer.zer.zer.zer.zer.zer.zer.zer.zer.zer.zer.zer.zer.zer.zer.zer.zer.zer.zer.zer.zer.zer.zer.zer.zer.zer.zer.zer.zer.zer.zer.zer.zer.zer.zer.zer.zer.zer.zer.zer.zer.zer.zer.zer.
zer.zer.zer.zer.zer.zer.zer.zer.zer.zer.zer.zer.zer.zer.zer.zer.zer.zer.zer.zer.zer.zer.zer.zer.zer.zer.zer.zer.zer.zer.zer.zer.zer.zer.zer.zer.zer.zer.zer.zer.zer.zer.zer.zer.zer.zer.zer.zer.zer.zer.zer.zer.zer.zer.zer.zer.zer.zer.zer.zer.zer.zer.zer.
zer.zer.zer.zer.zer.zer.zer.zer.zer.zer.zer.zer.zer.zer.zer.zer.zer.zer.zer.zer.zer.zer.zer.zer.zer.zer.zer.zer.zer.zer.zer.zer.zer.zer.zer.zer.zer.zer.zer.zer.zer.zer.zer.zer.zer.zer.zer.zer.zer.zer.zer.zer.zer.zer.zer.zer.zer.zer.zer.zer.zer.zer.zer.
zer.zer.zer.zer.zer.zer.zer.zer.zer.zer.zer.zer.zer.zer.zer.zer.zer.zer.zer.zer.zer.zer.zer.zer.zer.zer.zer.zer.zer.zer.zer.zer.zer.zer.zer.zer.zer.zer.zer.zer.zer.zer.zer.zer.zer.zer.zer.zer.zer.zer.zer.zer.zer.zer.zer.zer.zer.zer.zer.zer.zer.zer.zer.
zer.zer.zer.zer.zer.zer.zer.zer.zer.zer.zer.zer.zer.zer.zer.zer.zer.zer.zer.zer.zer.zer.zer.zer.zer.zer.zer.zer.zer.zer.zer.zer.zer.zer.zer.zer.zer.zer.zer.zer.zer.zer.zer.zer.zer.zer.zer.zer.zer.zer.zer.zer.zer.zer.zer.zer.zer.zer.zer.zer.zer.zer.zer.
zer.zer.zer.zer.zer.zer.zer.zer.zer.zer.zer.zer.zer.zer.zer.zer.zer.zer.zer.zer.zer.zer.zer.zer.zer.zer.zer.zer.zer.zer.zer.zer.zer.zer.zer.zer.zer.zer.zer.zer.zer.zer.zer.zer.zer.zer.zer.zer.zer.zer.zer.zer.zer.zer.zer.zer.zer.zer.zer.zer.zer.zer.zer.
zer.zer.zer.zer.zer.zer.zer.zer.zer.zer.zer.zer.zer.zer.zer.zer.zer.zer.zer.zer.zer.zer.zer.zer.zer.zer.zer.zer.zer.zer.zer.zer.zer.zer.zer.zer.zer.zer.zer.zer.zer.zer.zer.zer.zer.zer.zer.zer.zer.zer.zer.zer.zer.zer.zer.zer.zer.zer.zer.zer.zer.zer.zer.
zer.zer.zer.zer.zer.zer.zer.zer.zer.zer.zer.zer.zer.zer.zer.zer.zer.zer.zer.zer.zer.zer.zer.zer.zer.zer.zer.zer.zer.zer.zer.zer.zer.zer.zer.zer.zer.zer.zer.zer.zer.zer.zer.zer.zer.zer.zer.zer.zer.zer.zer.zer.zer.zer.zer.zer.zer.zer.zer.zer.zer.zer.zer.
zer.zer.zer.zer.zer.zer.zer.zer.zer.zer.zer.zer.zer.zer.zer.zer.zer.zer.zer.zer.zer.zer.zer.zer.zer.zer.zer.zer.zer.zer.zer.



───助けてくれ
───いいや、駄目だね





「──微かに、煙草の臭いがした」









GO!